※本記事は一般的な健康情報を紹介するもので、個別の診断や治療を目的としたものではありません。
「最近、歩くスピードが遅くなった気がする」「階段を上るのが以前よりつらい」「つまずくことが増えた」という人は、足腰の衰えが気になっているのではないでしょうか。
CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』の2025年9月28日放送回では、「長寿の秘訣は下半身にアリ!足腰健者のマル秘ルーティン」をテーマに、元気な高齢者が日頃から行っている習慣が紹介されました。
番組に登場したのは、89歳でサッカーを続ける男性、40年以上オリジナル運動を続ける94歳の男性、そして95歳になっても階段を積極的に使う女性です。
3人に共通していたのは、何か特別な健康法を一度だけ行うのではなく、「日常生活のなかで身体を動かすことを習慣にしている」という点でした。
さらに番組では、65~89歳の日本人1,085人を約10年間追跡した研究も紹介され、歩行速度などの身体機能と死亡リスクとの関連が解説されました。
実際の研究論文では、歩行速度だけでなく、握力や立位バランスも総死亡リスクや心血管疾患による死亡リスクと関連していたことが報告されています。
ただし、これは「速く歩けば必ず寿命が延びる」という意味ではありません。
歩行速度は、筋力・バランス能力・体力など全身状態を映し出す一つの指標として考えることが大切です。
この記事では、『健康カプセル!ゲンキの時間』で紹介された足腰健者のルーティンを振り返りながら、サルコペニアの簡単なチェック方法や、今日から取り入れやすい足腰強化法、安全に運動するための注意点まで分かりやすく解説します。
- 健康長寿の秘訣は「足腰の強さ」?歩行速度との関係
- サルコペニアとは?自宅でできる「指輪っかテスト」
- 89歳サッカープレイヤーに学ぶ!足腰を強くする方法
- 94歳「足腰健者」の秘訣はオリジナル運動を40年以上続けること
- 95歳で階段を積極的に使う!「プラスα」の運動習慣
- お風呂で100回運動は真似していい?高齢者は安全を最優先に
- 足腰を強くするには食事も重要!筋肉と骨を支える食生活
- 足腰健者3人から分かった本当の共通点
- 今日からできる「足腰健者」1週間ルーティン例
- 足腰を鍛えるときに注意したい人と運動を中止すべきサイン
- 「歩くのが遅い=寿命が短い」と心配しすぎる必要はない
- まとめ|長寿の秘訣は「特別な運動」より足腰を使い続ける習慣
- 今日から始めるなら、あなたはどれ?
健康長寿の秘訣は「足腰の強さ」?歩行速度との関係
結論からいうと、健康長寿を目指すうえで、歩く力・筋力・バランス能力を維持することは非常に重要です。
理由は、足腰が弱くなることで外出や家事などの日常活動が減り、さらに筋力が低下するという悪循環に入りやすくなるからです。
番組では、日本人高齢者1,085人を対象とした研究が紹介されました。
この研究は65~89歳の、研究開始時点では日常生活に大きな障害のなかった日本人高齢者を対象に、平均10.5年間追跡したものです。
研究では、通常の歩行速度、握力、立った状態でのバランス能力を測定し、その後の死亡との関連が調べられました。
その結果、歩く速度が遅いこと、握力が弱いこと、立位バランスが悪いことはいずれも総死亡リスクなどと関連していました。
番組では特に歩行速度に注目し、男性の場合、1秒あたり1.32m以上歩くグループに対し、1.10m未満だったグループで死亡リスクが高かったというデータが紹介されています。
ここで重要なのは、「今日から無理やり速く歩けばよい」という話ではないことです。
歩行速度が速い人は、脚の筋力、心肺機能、バランス能力、神経機能など複数の身体機能が比較的保たれている可能性があります。
つまり、歩行速度そのものが魔法のように寿命を決めるのではなく、歩行速度が全身の健康状態を示すサインの一つだと考えると分かりやすいでしょう。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、高齢者は個人差を考慮しながら、今より少しでも多く身体を動かすことが推奨されています。
足腰が衰えると起こりやすい悪循環

この悪循環を防ぐために大切なのが、「できる範囲で身体を動かし続けること」です。
激しいスポーツを始める必要はありません。
買い物へ歩いて行く、階段を使う、家事をする、散歩に数分だけ早歩きを加えるといった小さな活動も、身体を動かす大切な機会になります。
サルコペニアとは?自宅でできる「指輪っかテスト」
足腰の衰えを考えるうえで知っておきたい言葉が「サルコペニア」です。
サルコペニアとは、加齢などに伴って筋肉量や筋力、身体機能が低下した状態を指します。
足腰が弱くなると転倒などにつながる可能性があるため、早い段階で変化に気づくことが重要です。
番組では、サルコペニアの兆候を手軽に確認する方法として「指輪っかテスト」が紹介されました。
やり方は非常に簡単です。
椅子に座って両足を床につけ、両手の親指と人差し指で輪を作り、ふくらはぎの最も太い部分を軽く囲みます。
ふくらはぎが指の輪より明らかに細く、輪との間に隙間ができる場合は、筋肉量が少なくなっている可能性を考えるきっかけになります。
この「指輪っかテスト」は単なるテレビ番組独自の方法ではなく、日本で開発され研究されている簡易スクリーニング法です。
地域在住高齢者1,904人を対象とした研究では、ふくらはぎが指の輪より細い人ほど、サルコペニアや将来の要介護認定などとの関連が強かったことが報告されています。
ただし、ここには大切な注意点があります。
指輪っかテストだけで「あなたはサルコペニアです」と診断することはできません。
手の大きさや体格にも個人差があり、正式な評価では筋力、身体機能、筋肉量など複数の項目を確認します。
「以前より脚が細くなった」「立ち上がるのがつらくなった」「歩く速度が明らかに遅くなった」と感じる場合に、身体の変化に気づくための目安として利用するのが適切です。
指輪っかテストの見方

チェック結果だけで一喜一憂するのではなく、「最近の自分の身体はどう変化しているか」を見ることが大切です。
89歳サッカープレイヤーに学ぶ!足腰を強くする方法
番組で最初に登場した「足腰健者」は、当時89歳のサッカープレイヤー・伊賀猛さんでした。
89歳になってもサッカーを続け、ボールに反応して方向転換したり、パスやシュートをしたりできる身体能力が紹介されました。
専門医が注目したポイントの一つが体幹です。
サッカーでは、走るだけでなく、身体をひねる、片足で身体を支える、方向を変える、ボールを蹴るという複雑な動きを繰り返します。
こうした動きでは脚だけでなく、身体の中心部分を安定させる筋肉も使われます。
もう一つ注目されたのが太ももの筋肉です。
番組測定では伊賀さんの太もも周囲は47cmで、番組内で示された年代別データでは60代男性の平均に近い数値だったと紹介されています。
しかし、この記事を読んで「自分もサッカーを始めよう」と考える必要はありません。
番組で専門医が一般の人向けに紹介したのは、もっと手軽な方法でした。
それが、「一定時間だけ、大股かつ少し速めに歩く」という方法です。
ポイントは、散歩の最初から最後まで頑張ることではありません。
番組では2~3分程度など、無理のない時間を決めることが継続のコツとして紹介されました。
例えば20分散歩するなら、普段のペースで歩きながら、途中の安全な直線だけ少し歩幅を広げてテンポを上げるという方法が考えられます。
息が切れるほど速度を上げる必要はありません。
厚生労働省も、高齢者の身体活動については個人差を踏まえて量や強度を調節し、まず「今より少しでも多く動く」ことを基本としています。
足腰強化に取り入れやすい身体活動
| 方法 | 主に期待できる運動要素 | 始めるときのポイント |
|---|---|---|
| 普段の散歩 | 持久力・下半身 | 無理なく歩ける距離から |
| 数分の大股歩き | 太もも・お尻 | 転倒しにくい平坦な場所で |
| 少し速めの歩行 | 持久力・脚力 | 会話できる程度から |
| 階段 | 太もも・お尻 | 必要なら手すりを使う |
| 軽い筋トレ | 筋力 | 少ない回数から始める |
| バランス運動 | 姿勢・バランス | 壁や椅子の近くで安全確保 |
大切なのは、他人の歩く速さと競争することではありません。
「昨日までより少し身体を使う時間を増やす」ことが、足腰づくりの現実的な第一歩です。
ウォーキングを始める前に「靴」も見直してみる
ウォーキングを習慣にするなら、運動方法だけでなく、普段履いている靴が自分の足に合っているかも確認しておきたいポイントです。
サイズや足幅が合っていない靴は、歩いている途中で痛みや靴ずれにつながることがあります。
「これから散歩を始めたい」「今の靴が古くなってきた」という方は、ウォーキング向けシューズを一度比較してみるのもよいでしょう。
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※シューズによって転倒や痛みを必ず防げるわけではありません。
シューズ選びを先に知りたい方へ
サイズだけでなく、足幅・クッション性・履き方など、ウォーキングシューズ選びのポイントはこちらで詳しく解説しています。
50代・60代・70代からのウォーキングシューズの選び方
94歳「足腰健者」の秘訣はオリジナル運動を40年以上続けること
2人目として番組に登場したのは、当時94歳の佐藤光男さんです。
佐藤さんが続けていたのは、自ら考案した「ピンピンコロリ運動」でした。
特徴は、一つの筋肉だけを集中的に鍛えるのではなく、ストレッチ、脚を動かす運動、腹筋や腕を使う動きなどを組み合わせ、全身を幅広く動かしていることです。
さらに印象的なのは、その運動を40年以上継続してきた点です。
健康づくりで多くの人が陥りやすいのが、「今日から毎日30分筋トレする」と張り切りすぎ、数日で続かなくなってしまうパターンです。
一方、厚生労働省のガイドでは、成人・高齢者に対して筋力トレーニングを週2~3日行うことを推奨しています。
毎日限界まで追い込む必要はありません。
むしろ初心者の場合は、十分な休養を取りながら、自分の体力に合った回数から始める方が現実的です。
例えば椅子から立ち上がる動作も、自分の体重を負荷として利用する立派な筋力運動になり得ます。
立ち上がるのが不安定な人は、無理にスクワットを行うのではなく、転倒しない環境を整え、必要に応じて専門家に相談することが重要です。
高齢者については、筋トレだけでなく、有酸素運動・筋力・バランス・柔軟性など複数の要素を含む運動が推奨されています。
番組の佐藤さんが行っていた多様な動きは、この「いろいろな身体能力を使う」という考え方とも共通しています。
つまり、佐藤さんのメニューをそっくり100%再現することよりも、自分が安全にできる運動を複数組み合わせ、それを長く続けることが参考になるポイントです。
番組では、佐藤さんが毎朝大きな声で笑う習慣も紹介されました。
「笑えば病気にならない」とまで考える必要はありませんが、自分が楽しめる活動や人との交流を生活のなかに持つことは、運動習慣を続けるうえでも大切でしょう。
関連するCBC公式YouTube動画
『健康カプセル!ゲンキの時間』では別回でも、腸腰筋や大腿四頭筋など足腰に関わる筋肉を使うトレーニングが紹介されています。
「運動したいけれど一人では続かない」という人へ
運動で難しいのは、方法を知ることよりも続けることです。
「動画を見るだけだと三日坊主になってしまう」「ジムまで通うのは面倒」という場合は、自宅から参加できるオンラインフィットネスを利用する方法もあります。
SOELUでは、自宅からヨガやフィットネスなどのレッスンを利用できます。
自宅運動を続けるための選択肢の一つとして、どのようなレッスンがあるのか確認してみてもよいでしょう。
※運動内容の適否は年齢だけでは判断できません。
※持病、膝・腰などの痛み、運動制限がある場合は、事前に医師などへ相談してください。
申込み前に確認したい方へ
「自宅運動は本当に続けやすい?」「どんなレッスンがある?」という疑問は、比較・レビュー記事で先に解決しておくと選びやすくなります。
SOELUの口コミ・料金・初心者向けレッスンを徹底解説
95歳で階段を積極的に使う!「プラスα」の運動習慣
3人目の足腰健者として紹介されたのが、当時95歳の佐藤ヒデさんです。
番組では、測定機器による血管年齢20歳、体内年齢36歳など、驚くような数値が紹介されました。
ただし、こうした「血管年齢」「体内年齢」は使用する測定機器や計算方法によって意味が異なるため、医学的に身体が文字通り20歳になったという意味ではありません。
この記事で注目したいのは、数字そのものより佐藤さんの日常生活です。
佐藤さんは、可能な範囲でエレベーターを使わず階段を利用し、その後さらに手すりを利用した運動やストレッチを加えていたと紹介されています。
これは非常に興味深いポイントです。
運動というと、ジャージに着替えてジムへ行かなければならないイメージを持つ人もいます。
しかし、階段を使う、買い物で歩く、掃除をする、庭仕事をするといった日常動作も身体活動です。
「運動する時間を作れない」という人ほど、生活のなかの移動を運動に変えるという考え方が役立ちます。
例えば、無理なく階段を使える人なら、1階分だけ階段にする方法があります。
近所へ車で行っていた人なら、体調と距離が許す日は歩いてみる方法もあります。
テレビを見ている時間が長い人なら、CMのタイミングで立ち上がって少し身体を動かす方法もあります。
「運動を30分しなければ意味がない」と考えるより、座りっぱなしの時間を減らし、こまめに身体を使うことがポイントです。
厚生労働省も、高齢者について座っている時間が長くなりすぎないよう注意し、今より少しでも多く身体を動かすよう推奨しています。
お風呂で100回運動は真似していい?高齢者は安全を最優先に
佐藤ヒデさんが行っていた習慣の一つとして、番組では湯船の中で脚を曲げ伸ばしたり、足首などを動かしたりする方法が紹介されました。
しかし、95歳の佐藤さんが100回行っているからといって、視聴者が同じ回数をそのまま真似することはおすすめできません。
理由は、入浴中には運動そのものとは別の安全リスクがあるためです。
消費者庁は、高齢者の入浴中の事故について、持病がない人や前兆がない人でも事故が起こる可能性があると注意喚起しています。
特に高齢者では、熱いお湯や長時間の入浴、急な立ち上がりなどに注意が必要です。
消費者庁は、湯温を41度以下、湯につかる時間を10分までを目安とし、浴槽から急に立ち上がらないことなどを呼びかけています。
そのため、「お風呂の時間をトレーニング時間にしよう」と考えて回数を競うのではなく、まずは入浴そのものを安全に行うことが優先です。
脚を動かす場合でも、のぼせ、めまい、息苦しさ、動悸などが出た場合はすぐに中止してください。
高血圧、心臓病、脳血管疾患などの持病がある人、薬を服用している人、転倒リスクが高い人は、自己判断で新しい運動を追加せず、必要に応じて医師などへ相談しましょう。
健康づくりは「たくさんやった人が勝ち」ではありません。
安全に続けられることの方がはるかに重要です。
足腰を強くするには食事も重要!筋肉と骨を支える食生活
足腰を守るには、運動だけでなく食事も重要です。
いくら身体を動かしていても、必要なエネルギーや栄養素が不足すると、筋肉や骨を維持する材料が足りなくなってしまいます。
番組に登場した94歳の佐藤光男さんは、イワシの缶詰を週に複数回食べる習慣があると紹介されました。
番組では、イワシに含まれるビタミンDがカルシウムの吸収を助け、骨の健康に関わることが説明されています。
ただし、ここでも重要なのは「イワシ缶を食べれば足腰が強くなる」と単純化しないことです。
筋肉を維持するためには、肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などに含まれるたんぱく質をはじめ、十分なエネルギーやさまざまな栄養素を摂取することが重要です。
骨についても、カルシウムだけ、ビタミンDだけを大量に摂ればよいわけではありません。
主食・主菜・副菜などを組み合わせ、食事全体のバランスを考えることが基本です。
食欲が落ちて体重が減っている高齢者の場合、「健康のためにもっと食事を減らそう」と考えることが逆効果になるケースもあります。
体重減少や食欲不振が続く場合は、自己流の食事制限ではなく医療機関などへ相談してください。
足腰の健康を支える主な栄養素と食品例
| 栄養素 | 主な役割 | 食品例 |
|---|---|---|
| たんぱく質 | 筋肉など身体をつくる材料 | 魚、肉、卵、大豆製品、乳製品 |
| カルシウム | 骨や歯の構成に関与 | 牛乳、ヨーグルト、小魚、大豆製品 |
| ビタミンD | カルシウム吸収などに関与 | イワシ、サケ、サバ、きのこ類 |
| 炭水化物 | 身体を動かすエネルギー源 | ご飯、パン、麺、いも類 |
| ビタミン・ミネラル | 身体機能を幅広く支える | 野菜、果物、海藻類など |
特定の食品を「長寿食品」として大量に食べるより、いろいろな食品を組み合わせることが基本です。
毎日の食事作りが負担なら「宅配食」という選択肢も
ここまで読んで、
「栄養バランスが大切なのは分かるけれど、毎日献立を考えるのは大変」
「離れて暮らす親がきちんと食事を取れているか心配」
と感じた人もいるかもしれません。
そんな場合は、食事作りそのものを無理して続けるのではなく、冷凍宅配食などを生活の一部に取り入れる方法もあります。
特に、調理や買い物が負担になってきた家庭では、必要なときだけ利用できるサービスを知っておくと選択肢が広がります。
ワタミの宅食ダイレクト
自宅で保存しやすい冷凍惣菜を利用したい方は、ワタミの宅食ダイレクトを選択肢の一つとして確認できます。
▶ ワタミの宅食ダイレクトのメニュー・利用方法を確認する
メディミール
健康を意識した宅配食を複数比較してから決めたい方は、メディミールも候補の一つです。
※宅配食は治療やサルコペニア改善を目的とするものではありません。
※食事制限、腎臓病、糖尿病などで医師や管理栄養士から個別の食事指導を受けている場合は、その指示を優先してください。
どちらを選ぶか迷ったら比較記事へ
宅配食は「価格」だけでなく、メニュー、注文方法、保存スペース、食べる人の好みなどでも選びやすさが変わります。
いきなり申し込まず比較してから決めたい方は、以下の記事も参考にしてください。
高齢者向け宅配食おすすめ比較|ワタミ・メディミールなどを比較
ワタミの宅食ダイレクトは高齢の親にも使いやすい?料金・口コミ・注意点
足腰健者3人から分かった本当の共通点
番組に登場した3人は、生活も運動内容もまったく異なります。
89歳の伊賀さんはサッカーを続け、94歳の佐藤光男さんは長年オリジナル運動を続け、95歳の佐藤ヒデさんは日常生活で階段などを積極的に利用していました。
それでも、3人には大きな共通点があります。
それは、「身体を動かすことが特別なイベントではなく、生活の一部になっている」という点です。
これは、これから足腰を鍛えたい人にとって非常に参考になります。
1か月だけ毎日ハードな筋トレをするより、自分が無理なく続けられる活動を何年も続ける方が、習慣という意味では現実的です。
また、3人とも「運動だけ」ではありませんでした。
サッカーという楽しみがあり、自分で考えた運動があり、笑う習慣や趣味があり、日々の食事があります。
つまり健康長寿を考えるときは、筋肉だけを見るのではなく、身体活動・食事・趣味・社会とのつながりなど生活全体を見ることが大切だと考えられます。
【図解3】「足腰健者」を目指す5つの習慣

最大のポイントは⑤の「続ける」です。
どれほど優れた運動でも、痛みを我慢して数日でやめてしまえば習慣にはなりません。
逆に、毎日の買い物で歩く、週2回だけ筋トレする、テレビを見ながら軽く身体を動かすなど、生活に溶け込んだ活動は続けやすくなります。
今日からできる「足腰健者」1週間ルーティン例
では、テレビを見て「自分も何か始めたい」と思った人は、何から取り組めばよいのでしょうか。
結論として、最初から番組出演者と同じ運動量を目指す必要はありません。
厚生労働省のガイドでも、高齢者は個人差を考慮し、できるものから取り組み、今より少しでも身体活動を増やすことが基本とされています。
そこで、運動習慣がほとんどない人なら、次のような考え方から始めると分かりやすいでしょう。
月曜日は普段の散歩に、安全な場所で1~2分程度の少し大きな歩幅を加えます。
火曜日は椅子からゆっくり立って座るなど、自分の体力に合った軽い筋力運動を行います。
水曜日は無理にトレーニングせず、買い物や家事などで身体を動かします。
木曜日は再び軽い筋力運動を行い、慣れていれば回数ではなく丁寧な動きを意識します。
金曜日は通常の散歩の途中に、体調を見ながら少しテンポの速い区間を加えます。
土曜日は庭仕事、買い物、趣味、外出など、楽しめる活動で身体を動かします。
日曜日は疲労が残っていれば休み、余裕があれば軽いストレッチ程度にします。
これは医療的な運動処方ではなく、あくまで「日常生活にどう身体活動を組み込むか」という一例です。
厚生労働省は高齢者について、筋力トレーニングを週2~3日、多要素な運動を週3日以上行うことを推奨していますが、同時に個人の体力や健康状態に合わせる必要があるとしています。
特に今までほとんど運動していなかった人が、いきなり目標値を全部達成しようとする必要はありません。
ゼロから100を目指すのではなく、「昨日の自分より少し動く」ことから始めるのがポイントです。
自分だけでは運動メニューを続けにくい場合は
「何をすればいいかは分かったけれど、結局一人だと続かない」という方は、運動を生活の予定として組み込む方法もあります。
自宅から参加できるサービスであれば、移動時間をかけずに運動する時間を作る選択肢になります。
すぐ申し込まず、料金や特徴を確認してから判断したい方はこちら。
SOELUの口コミ・料金・初心者向けレッスンを解説
足腰を鍛えるときに注意したい人と運動を中止すべきサイン
足腰を強くするためには継続が重要ですが、安全はそれ以上に重要です。
特に高齢者や慢性疾患のある人では、テレビで見た運動をそのまま自己流で再現することが適さないケースがあります。
厚生労働省は、慢性疾患がある場合でも身体活動が可能な人は運動することを勧めていますが、身体活動で悪化する可能性のある合併症や運動器の痛みなどがある場合は、事前に医師など専門家へ相談するよう案内しています。
また、運動中に身体から異常のサインが出た場合は「もう少しだけ頑張ろう」と続けないことが大切です。
厚生労働省の安全情報では、胸痛、動悸、めまい・ふらつき、いつもと違う強い疲れ、強い関節痛や筋肉痛、冷や汗などが生じた場合は、運動を中止するよう示されています。
膝や腰に痛みがある場合も、「筋肉を鍛えれば治るはず」と考えて無理にスクワットや階段運動を続けないでください。
痛みには筋力低下だけでなく、関節や神経などさまざまな原因があります。
また、転倒リスクのある人が片足立ちなどを一人で行うのも危険です。
バランス運動を行う場合は、安定した椅子や壁の近くなど、必要なときすぐ身体を支えられる環境を確保しましょう。
健康づくりの運動は、痛みや恐怖を我慢して限界まで頑張るものではありません。
「少し物足りない」と感じるくらいから始め、身体の状態を確認しながら継続する方が安全です。
「歩くのが遅い=寿命が短い」と心配しすぎる必要はない
今回の番組で特にインパクトがあるのが、歩行速度と死亡リスクの研究です。
しかし、数字だけを見て「自分は歩くのが遅いから長生きできない」と不安になる必要はありません。
研究で確認されているのは統計的な関連であり、一人ひとりの寿命を歩行速度だけで予測できるわけではないからです。
実際、同研究でも評価されたのは歩行速度だけではありません。
握力と立位バランスも死亡リスクと独立して関連しており、3つを組み合わせることで予測力が高まったと報告されています。
さらに、人が歩く速度には年齢だけでなく、関節の状態、神経疾患、心臓や肺の機能、視力、服薬状況などさまざまな要因が影響します。
ですから、「1.32m/秒以上を絶対に目指そう」と数字だけを追いかけるのではなく、以前の自分と比べて身体機能が大きく落ちていないかを見る方が実用的です。
例えば、半年前には楽に歩けたスーパーまで何度も休まないと行けなくなった、階段で急に息切れするようになった、何もない場所で何度も転びそうになるといった変化がある場合は、単純な老化と決めつけないことが大切です。
気になる変化が続く場合には、医療機関への相談も検討しましょう。
まとめ|長寿の秘訣は「特別な運動」より足腰を使い続ける習慣
『健康カプセル!ゲンキの時間』で紹介された3人の足腰健者から学べる最大のポイントは、高齢になってから突然特別な健康法を始めたのではなく、日常的に身体を使う習慣を長く続けていることです。
89歳のサッカープレイヤーからは、体幹や太ももの筋肉を使い続けることの大切さが見えてきました。
94歳の佐藤光男さんからは、複数の身体部位を動かす運動を長く継続する姿勢が参考になります。
95歳の佐藤ヒデさんからは、階段を使うなど、生活そのものを身体活動の機会に変える考え方を学べます。
一方で、出演者ができることをそのまま同じ回数行えば、同じ健康状態になれるわけではありません。
年齢が同じでも、筋力、関節、心肺機能、持病、服薬状況には大きな個人差があります。
そのため、自分の身体に合った活動を、安全に、無理なく、継続することが最も重要です。
厚生労働省も高齢者に対し、「今よりも少しでも多く身体を動かす」という考え方を基本にしています。
「毎日1時間運動しなければ」と考える必要はありません。
まずは散歩の途中で1~2分だけ歩幅を少し広げることでもよいでしょう。
エレベーターではなく、安全に使える階段を1階分だけ利用することでもよいでしょう。
テレビを見ながら座りっぱなしになっているなら、ときどき立ち上がることから始めても構いません。
健康長寿を目指す足腰づくりで大切なのは、今日だけ頑張ることではなく、今日から続けられることを一つ増やすことです。
無理なくできる小さな一歩から、足腰を使う習慣を始めてみてはいかがでしょうか。
今日から始めるなら、あなたはどれ?
最後に、「具体的に何から始めればよいか分からない」という方のために、目的別に整理します。
まずは歩く習慣を作りたい
散歩やウォーキングから始める場合は、歩く時間だけでなく、現在使っている靴も確認してみましょう。
自宅で運動する習慣を作りたい
一人では続けにくい場合は、自宅で利用できるオンラインフィットネスという選択肢もあります。
毎日の食事作りの負担を減らしたい
「栄養バランスを考えたいけれど、買い物や調理が負担」という場合は、冷凍宅配食を生活の一部に取り入れる方法もあります。
比較してから選びたい場合はこちら。
高齢者向け宅配食おすすめ比較
無理に全部始める必要はありません。
「歩く」「運動する」「食生活を整える」の中から、自分が最も続けやすいものを一つ選ぶことが第一歩です。
